人工透析(腎疾患)と 障害年金 SOS
障害年金相談室“きぼう”(なかのま社労士事務所)は、 人工透析による
障害年金申請のご相談について、
「何回でも、何時間でも、無料で」お受けしています。
- ここでは、人工透析による障害年金の申請について、 ポイントと注意点 を解説します。
- 腎不全を患った患者さまが腎臓の機能を人工的に代替えする方法として、
人工透析を行なうことになります。
- 人工透析をされている方は肉体的、精神的な負担が大きく、
就労や日常生活が大変です。
- 障害年金(障害基礎年金+障害厚生年金)の受給者は、
全体で200万人強いますが、その中で、 腎疾患で障害年金を受給している者の割合は4.7%と
多いです。
- 腎疾患の受給者のほとんどが人工透析 の患者さまとなっております。
- 障害年金の認定基準には「人工透析療法施工中のものは、
障害の程度を原則2級とする」と記載されているため、
人工透析を行なっている方は障害年金の障害の程度を満たすのですが、
初診日における保険料納付要件 を満たしていることを証明しなければ障害年金を受給することができません。
腎疾患の 障害認定基準
慢性腎不全及びネフローゼ症候群の 障害認定基準は、次のようになっています。
- 腎疾患の障害の程度のおおまかな目安としては、
- 「1級」は、
身の周りのことはかろうじてできるが、腎疾患により
日常生活が介助を受けなければできないほどの状態 (生活がおおむねベット周辺)
- 「2級」は、 人工透析を施行している場合、
または、必ずしも他人の助けを借りる必要はないが、腎疾患により
日常生活での不自由が多く、就業がかなり難しい状態 (生活がおおむね家屋内)
- 「3級」は、
日常生活にはほとんど支障はないが、腎疾患により
仕事に就けても、仕事の内容や就労時間に制限を受ける状態 (軽作業または週3日労働)
となります。
- 人工透析療法施行中のものについては、 原則2級と認定されます。
なお、主要症状、検査成績、合併症の有無、具体的な日常生活状況等によっては、
さらに上位等級に認定されます。
- 人工透析には、血液透析、腹膜透析、血液濾過がありますが、
どちらも障害認定基準は同じで、原則2級に該当するとされています。
人工透析(腎疾患)の初診日
障害年金を申請するためには、初診日における 保険料納付要件を満たしていることを
証明しなければなりません。
人工透析(腎疾患)の場合は、 初診日が証明できなく、
当相談室にご相談される方が多くいます。
- 初診日はいつになるのか
- 初診日とは、障害の原因となる傷病で 初めて病院に行った日となりますが、腎疾患の場合は、
必ずしも腎不全と診断された日とは限らず、腎不全の前に、 相当因果関係があると認められる傷病がある場合、
その傷病での最初に受診した日が初診日 となることもあります。
- 人工透析の原因は、
- 糖尿病性腎症 →高血糖状態が続くことにより、腎機能が損なわれてしまう病気
- 糸球体腎炎 →蛋白尿や血尿が長期間つづく病気
- 腎硬化症 →高血圧により腎臓の血管が動脈硬化を起こす病気
など様々ですが、例えば、糖尿病性腎症 が原因で人工透析になった場合には、糖尿病 で初めて病院を受診した日が初診日になります。
- 相当因果関係がある前の傷病がなくても、
腎疾患の自覚症状(嘔吐、食欲不振、頭痛など)や、
他覚所見(尿の異常、高血圧など)の診察日が
初診日となることもあります。
- 初診日を間違えて障害年金の申請をすると、 初診日が特定できないため不支給となり、
再度、申請をやり直さなければなりません。
- 腎疾患による障害年金申請の多くは、認定されると申請日の翌月分 から障害年金が支給されることになるため、できるだけ早く、
やり直しとならない申請をしたほうがいいです。
- 初診日が特定できたら、病歴・就労状況等申立書を作成すると同時に、
主治医に診断書の作成を依頼します。
- 初診日の証明は
- 初診日は、人工透析(腎疾患) の原因疾患で最初に受診した病院で、受診状況等証明書 を書いてもらうことで証明します。
- 受診状況等証明書に、「紹介状あり」、「A病院より転院」などの記載があれば、
初診日の証明とはなりませんので注意が必要です。
- 受診状況等証明書は、
初診の病院が診断書をいただく病院と異なる場合に必要となり、
1番目の病院で何かの理由で書いてもらえない場合は2番目の病院で、
2番目の病院でも書いてもらえない場合は3番目の病院で、・・・・・というように、
どこかの病院で書いてもらわなければなりません。
- 腎疾患の場合は、発病しても急激に悪化しない、 初期の症状がわかりにくいという特徴があるため、
人工透析療法を開始し、障害年金を申請しようとしたとき、
- 初診日がいつなのかわからない
- 初診の病院がどこかわからない
- 初診の病院がつぶれている
- 当時のカルテは廃棄されている
などの問題が出てくる場合があります。
- このような場合は、障害年金専門の社会保険労務士に相談したほうが確実かと思います。
- 初診日に関する調査票(アンケート)
- 腎臓の病気では、障害年金の初診日に関する調査票 (アンケート)の提出が求められます。
- 調査票(アンケート)なので、軽い気持ちで記入する方もいますが、
審査の参考にされる重要書類です。
診断書や病歴・就労状況等申立書と 食い違いがないように作成する必要があります。
- この調査票(アンケート)が求められるのは、
初診日がかなり過去になる場合が多いもので、腎臓の病気以外には、
先天性の傷病、糖尿病、膀胱の病気、肝臓の病気、心臓の病気、肺の病気
などがあります。
- 相当因果関係による初診日
- 障害の傷病前に、相当因果関係 があると認められる傷病があった場合は、前の傷病で初めて医師の診察を受けた日が 初診日となります。
- 腎臓の病気では、
糖尿病性腎症、糸球体腎炎(ネフローゼ症候群を含む)、
腎硬化症、多発性嚢胞腎、腎盂腎炎に罹患し、その後「慢性腎不全」となった場合は、
両者の期間が長いものでも、相当因果関係があるものとされ、 初診日が変わってきます。
- 人工透析で障害年金を申請するには、いろいろな注意が必要となります。
- 初診日と障害年金
- 初診日に国民年金に加入していた場合で、
障害等級の障害2級以上に該当すると、 障害基礎年金が支給されます。
(主婦、自営業者、フリーター、学生など)
- 初診日に厚生年金に加入していた場合、
障害等級の障害3級以上に該当すると、 障害厚生年金が支給されます。
(サラリーマン、公務員の方など)
- 初診日に厚生年金に加入していた方が、人工透析
を行なっている場合は、障害2級以上に該当するので、
障害基礎年金と障害厚生年金が支給されることになります。
人工透析(腎疾患)と診断書
障害年金を申請する場合の診断書用紙の様式は8種類ありますが、 人工透析(腎疾患)の場合は、
「腎疾患・肝疾患、糖尿病の障害用」
の診断書を主治医に記載してもらいます。
- 診断書の記載内容
- 人工透析(腎疾患)の場合は、
「人工透析を受けている」事実が一番重要です。
診断書の「⑫腎疾患」の人工透析療法欄に、血液透析などの透析の種類、透析回数、
透析開始月日などを記載してもらいます。
- 診断書の「⑪一般状態区分表」に
「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」の選択欄があります。
- 〔「ア」無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、
発病前と同等にふるまえるもの〕 に◯が付いた場合は、障害認定を受けることができません。
- 主治医も忙しくて、うっかり「ア」に◯を付ける場合があります。
このときは、主治医に診断書の書換えをお願いしたほうがよいです。
- 診断書の「⑫腎疾患」の自覚症状欄に、悪心・嘔吐、食欲不振、頭痛、呼吸困難
などがありますので、該当する場合は事前に主治医に伝えておいたほうがよいです。
- 診断書の「⑰予後」欄には、「今後も維持透析が必要」との記載があるとよいです。
- 主治医への診断書の依頼
- 初診日における 保険料納付要件を満たしていることを確認したあと、
人工透析で障害年金の受給が可能であるかもしれないと思われる方は、
主治医に障害年金の申請を希望していることを伝え、相談してみることを薦めます。
- 主治医が診断書を書いてくれない場合は、
何かの理由があると思われます。
その理由を聞き出し、主治医に仕事を時々休まなければならないこと、
家事や育児ができないことを理解してもらう努力が必要かと思われます。
- 障害年金の申請では、患者さまと主治医の信頼関係 が重要となり、信頼関係がなければ、主治医から書いてもらった診断書は、
障害等級に該当しないという結果になる可能性が高いのです。
- 当相談室では、皆さまから聞き込みを行ない、初診日における保険料納付要件の確認や、
主治医に診断書作成のお願いなどの お手伝いもしております。
人工透析の障害年金申請の注意点
人工透析(腎疾患) で障害年金を申請するには、受診状況等証明書、 診断書、病歴・就労状況等申立書など、
いろいろな書類を揃えなければなりません。
- 病歴・就労状況等申立書について
- 人工透析の障害認定では、診断書 の内容が一番重要視されますが、診断書の次に重要な書類が、
障害年金の申請者が自ら作成する病歴・就労状況等申立書 です。
- 病歴・就労状況等申立書は、発症から現在までの
受診状況に加え、日常生活の状況や 就労の状況を具体的に記載するものです。
- 日常生活や就労に「どのような支障がでているか」について、
診断書では伝えきれないことを記載できる重要な書類なので、
ポイントをおさえて簡潔に書くことが必要です。
- 転院をした場合にはその理由 (主治医に不信感を持った、引越しのため、など)について、
受診しなかった期間もその理由 (経済的に受診できなかった、自覚症状がなかった、など) について記載します。
- 入院期間や休職期間 がある場合は、病歴・就労状況等申立書に必ず記載したほうがよいです。
入院期間や休職期間は、非常に重い状態なので、それが考慮されます。
- 障害年金の審査においては、主治医の作成した診断書と、申請者が記載した
病歴・就労状況等申立書の整合性 も重要視されますので注意が必要です。
- 就労について
- うつ病やがんなどの場合は、就労の可否 が障害認定に強く反映されますが、人工透析を行なっている方は
就労できる時間が制限されることが明らかであることから、 就労している場合であっても 原則2級に該当します。
- 就労しているからといって不支給とはなりませんが、
病歴・就労状況等申立書に労働が制限を受けるもの を詳細に記載することが重要となります。
- 遡及の申請について
- 障害年金の申請方法のひとつに、 障害認定日の申請(遡及の申請)があります。
- 障害認定日(初診日から1年6月)から現在まで、
障害等級に該当する症状が継続していた場合は、障害認定日に
遡り障害年金を申請することができます。
- 遡及の申請が認定されると、
過去の分の障害年金も支給されることになります。
- 人工透析で遡及の申請を行なう場合の診断書は、 障害認定日(始め)の診断書と 申請日(終り) の診断書の2枚を提出することになります。
- 始めと終りの障害状態は医師が証明することになりますが、
症状の継続性を証明するために病歴・就労状況等申立書 が重要となります。
- 病歴・就労状況等申立書に、
遡及の期間は病院への受診が継続しており、
病状も変わらないことを素直に記載しなければなりません。
- 遡及の期間に受診期間の空白がある場合は、
一般的には「病状が改善していた」と判定されますので、
空白の期間も病状が変わらなかった場合はその旨を記載し、受診しなかった理由 (体調不良のため病院へ行けなかったなど) も記入することが必要となります。
- その他
- 人工透析の場合は、初診日から1年6月を経過した日、
または透析を初めて受けた日から3ヵ月経過した日が 障害認定日となり、
その日以後に障害年金を申請することができます。
- 多くの場合、人工透析の初診日はかなり前となるため、人工透析
を受けられることとなったその日からでも障害年金の申請が可能となります。
- 人工透析による障害年金申請の多くは、申請日の申請 (事後重症の申請)と言われる方法となり、認定されると申請日の翌月分 から障害年金が支給されることになります。
- このため、できるだけ早く障害年金の申請を済ませることがお得になります。
また、申請日の申請は65歳になると申請することができないので注意が必要です。
- 人工透析 (腎疾患)の障害年金の申請には、
初診日を証明をするための受診状況等証明書を依頼したり、 病歴・就労状況等申立書や 調査票(アンケート) を記載したり・・・・・と、 かなりの時間と労力が必要です。
- 当相談室は、人工透析 (腎疾患)に特化した障害年金の ご相談を無料でおこなっております。
- 私は人工透析療法中であるが、いつが初診日なのか分からない ?
- 私は「糖尿病性腎症」であったが、当時の病院はなくなっているが ?
- Aさんは、人工透析を受けているが、障害年金の受給資格があるのかしら ?
- どのようなことでもかまいませんので、お気軽にお電話 でご相談ください。
- お電話は、 090 - 2731 - 4084 となります。
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